低価格フィラメントで細かい形状なぜ出ない？
目次
フィラメントの品質と造形精度の重要性
FFF方式の3Dプリンティングにおいて、フィラメントの品質は、造形物のクオリティ、寸法精度、表面仕上げを左右する重要な要素です。低価格のフィラメントは手に入りやすく、コストを重視するユーザーには魅力的ですが、複雑なデザインやミニチュアなどの精密な造形において、細部の再現性に欠けることがよくあります。低価格なフィラメントが繊細な形状を再現できないのは、単に価格の問題ではなく、材料特性や製造上のばらつきといった具体的な要因に起因しています。本記事では、低価格フィラメントと弊社のRaise3Dのプレミアムフィラメントの細かいディテールの再現性能を比較し、品質および印刷結果の主な違いを明らかにします。
3Dプリンティングにおける鋭いエッジ、薄い壁、小さな文字といった繊細なディテールの再現には、材料の正確な押出し、安定した溶融、糸引きの最小化、そして強い層間接着が求められ、これらはすべてフィラメントの品質に大きく依存します。高品質なフィラメントは均一な押し出し量と高い精度を実現しますが、低価格なフィラメントは品質のばらつきが多く、ディテールの悪化や形状の歪みの原因になります。
安価なフィラメントで細かいディテールがうまく再現できない理由
直径がばらばら
安価なフィラメントは太さが均一ではないことが多いです。太さが変わると、押し出し量が不安定になり、細かい部分がぼやけます。Raise3Dのプレミアムフィラメントは厳しい直径公差を守っており、なめらかで安定した押出しを実現し、精密なディテールを可能にします。
異物や混合
安価にするためにリサイクル材料や混ぜものが入っていることがあります。これが造形精度の低下やフィラメント詰まりといったトラブルの原因になります。
断面が綺麗な円ではない・表面がザラザラしている
フィラメントが丸くなくて表面がでこぼこしていると、うまく押し出せず線がガタガタになり、細かい形状のものが綺麗に造形できません。
吸湿している
梱包がしっかりしておらず、新品のフィラメントでも吸湿していることがあります。そうすると、印刷したときに気泡や糸ができて、ふわっとした線になります。
顔料にムラがある
顔料がムラになったり多すぎると、溶け方が変わってしまい、細かい文字や模様がゆがみます。Raise3Dのフィラメントは高純度の材料を使用しており、不純物や低品質な添加剤を含まないため、安定した流れと鮮明なディテール再現を可能にします。
テストおよび比較のために、形状が変化し、細かいディテールを含むモデルを特別に選定しました。比較に使用した形状は図1に示しています。
図1：比較に使用したモデル
このモデルには複雑な部分が含まれており、異なるフィラメントが複雑なディテールにどのように対応できるかを評価するのに最適です。特に、産業用途のモデルは複雑な形状を持つことが多いため、それを想定した形状を選んでいます。形状の変化によって、フィラメントが一貫した押出し、鋭いエッジ、および寸法精度をどこまで維持できるかが試されます。
図２は、低価格フィラメントと弊社のRaise3Dプレミアムフィラメントを使用して印刷したサンプル品を示しています。
図2：印刷結果
図３では、低価格フィラメントを使用して、造形した時に細かいディテールなど上手く行かなかった箇所を拡大して示しています。低価格フィラメントを使うと、特に鋭角や複雑なエッジなどの細かい形状がうまく形成されないことが多いです。これは主に、フィラメントの材質のばらつきや直径の不均一さにより、押出しが不安定になり層間接着が弱くなるためです。その結果、印刷物の品質に再現性がなく、複数回の印刷で同じ細かい仕上がりを安定して得ることができません。
図3：低価格フィラメントの拡大画像
一方、おすすめのRaise3Dのプレミアムフィラメントは常に鮮明で正確な細部を実現します。この優れた性能は、均一な組成、厳しい製造公差、高純度というフィラメントの特長に起因しており、安定した溶融と均一な押出しを可能にしています。これにより、複雑な形状や繊細なディテールも毎回正確に印刷されます。
さらに、スライスソフトや印刷パラメーターの役割も重要です。Raise3Dのプレミアムフィラメントは、Raise3DのideaMaker スライサーと組み合わせることで、積層ピッチ、印刷速度、ノズル温度などの設定を最適に調整できます。高品質なフィラメントと先進のスライス技術の相乗効果により、精度と信頼性を求められる複雑な産業用途でも理想的な結果が得られます。
