リードタイムを30日短縮し40,000ドル以上を節約:SuperATVによるRaise3D RMS220の導入事例
SuperATVについて
SuperATVは、UTVおよびATV向けアフターパーツのトップメーカーであり、車両性能・耐久性・ライダーの体験を高める数千点もの製品を設計・製造しています。2004年に小さなガレージで創業した同社は、現在では業界を牽引する革新企業へと成長を遂げました。約50万平方フィートの製造・倉庫スペースに加え、600エーカーを超える専用テストコースを保有し、エンジニアリングから製造、流通にいたる全工程を社内で一貫して行う垂直統合体制を構築しています。すべての製品は、高い品質、適合性、信頼性を確保するため、顧客に届く前に社内で設計、試作、テスト、検証されています。
このイノベーションを支えているのが、SuperATVの3Dプリンティングラボです。同ラボでは積層造形技術を活用し、製品開発、迅速なプロトタイピング、金型・治具の製作、さらには少量生産部品の製造を行っています。SuperATVは、産業用3Dプリンティングをエンジニアリングのワークフローに組み込むことで、設計検証の加速と開発サイクルの短縮を実現し、耐久性に優れた高性能オフロード車両向けアフターパーツをスピーディーに市場へ提供しています。
アプリケーションの概要と課題
競争の激しいパワースポーツ向けアフターパーツ業界において、SuperATVは新発売のUTV/ATVモデルに合わせた製品をいち早く開発しつつ、すべての部品において高い強度、寸法安定性、耐衝撃性、耐熱性といった厳しい性能要件を満たさなければなりません。また、特定の用途に特化した設計の多くは、多様な車両プラットフォームや性能要件に応じてカスタマイズが必要となるため、量産前にも何度も設計変更を繰り返す必要があり、開発スピードの向上が極めて重要でした。

しかし、開発プロセスにおける従来の機械加工による手法には、以下のような課題がありました。
設計の変更や修正が行われるたびに加工コストが増加し、試作・検証のサイクルが遅延していた。
複数のプロトタイプ(仕様違い)を同時に試作することは、コスト・時間ともに大きな負担となっていた。
複雑な形状の最適化は、従来の加工方法では製造が困難であるか、高コストにより実現できなかった。
交換部品の納品(リードタイム)に数日から1週間ほどかかっていた。
外部製造への依存度を下げつつ、耐久性と機能性を備えたプロトタイプを社内で迅速に作れる環境が求められていた。
解決策
製品開発を加速させるため、SuperATVは「Raise3D RMS220 SLS 3Dプリンティングシステム」をエンジニアリングワークフローに導入し、PA12を用いて機能性プロトタイプや実用に耐えうるエンジニアリング部品の製造を開始しました。

従来の機械加工とは異なり、RMS220を使用することで、CADデータから実物パーツへの切り替えがわずか数時間で完了するようになり、設計検証サイクルを劇的に短縮できました。一般的な造形時間は約12時間ですが、1回の造形で最大16個の機能部品を同時にプリントできるため、複数の設計案を順番ではなく同時に評価・比較することが可能になりました。
SLS方式で出力されたPA12部品は、機械的特性と寸法精度に優れており、SuperATVのエンジニアに適合性確認、組み立て検証、性能試験に適した高い耐久性と機能性を提供しています。さらに、粉末床溶融(PBF)プロセスにより、従来の手法では困難またはコスト高となりがちだった複雑な内部構造、軽量化設計、一体成形パーツの製作が可能になりました。この設計の自由度向上により、積層造形に最適化された部品設計を行うと同時に、複数のパーツや機能をひとつに集約(部品統合)できるようになりました。
PA12の優れた機械特性とRMS220の設計自由度を組み合わせることで、SuperATVは単なる外観確認にとどまらず、実際の使用環境を忠実に再現した機能部品を出力できるようになりました。カスタマイズされたUTV/ATV用パーツを社内で素早く修正・プリント・検証できるため、従来の製造で発生していた機械加工、金型製作、組み立ての手間や負荷を軽減できます。1回のプリントで複数の設計バリエーションを試作できることで、取り回し試験や機能テストがよりスムーズになり、設計の評価・改善を効率的に進められるようになりました。

結果
Raise3D RMS220の導入は、SuperATVのエンジニアリングおよび製品開発ワークフロー全体に明確な成果をもたらしました。SLSによる製造を社内化したことで、従来の機械加工や外部委託への依存度が下がり、機能性プロトタイプ、金型、治具、および少量生産部品をより迅速に入手できるようになりました。

主な成果は以下の通りです。
リードタイムを30日短縮
RMS220の導入からわずか2ヶ月で、試作コストを40,000ドル以上削減
金型投資、在庫保有コスト、および試作費用の削減
社内での迅速な試作・修正サイクルによるエンジニアリング検証の加速
さまざまな設計変更に対する納期の短縮
従来手法では難しかった軽量かつ最適化された形状の実現による、設計自由度の向上

今後の見通し
SuperATVがエンジニアリングおよび製造能力をさらに拡大していく中で、産業用SLSプリンティングは同社の製品開発戦略において欠かせない要素となっています。Raise3D RMS220の導入により、エンジニアリングチームは新製品の試作・検証・改善のすべてを社内でスピーディーに行えるようになり、開発コストの削減と市場投入までの期間短縮を両立させています。

今後は、機能性金型、生産用治具、最終製品向けの特殊部品、および少量生産用途において、積層造形の活用をさらに広げていく予定です。垂直統合された設計・テスト・製造体制のもと、産業用3Dプリンティングは、過酷なオフロード環境にも耐えうる革新的で高性能なアフターパーツを提供するという同社のミッションを、今後も強力に支えていきます。
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