技術レポート

Pro3HSシリーズRFIDフィラメントセンサーの機能と注意点

目次

Raise3D Pro3HSシリーズにはRFIDフィラメントセンサーが実装されています。

RFIDフィラメントセンサーは、フィラメントのスプールのRFIDを読み込むことで、フィラメントの種類を識別し、造形パラメータを検証して誤った材料の使用を防ぎます。これにより、ユーザーが造形ジョブをチェックする時間を短縮し、効率性と造形成功率を高めます。

Raise3D純正フィラメントは順次RFID付きに切り替わります。

使用方法

フィラメントのロード時にスプールのRFIDタグを読み取り部にタッチすることで

  • フィラメントの種類
  • フィラメントの残量
  • フィラメントの各種情報
  • ロード温度

などの情報が3Dプリンター本体のタッチパネルに読み込まれます。

残量などの各種情報がタッチパネルに読み込まれるので、造形開始時に3Dプリンター自身がチェックを行い、フィラメントが不足する可能性がある場合などは、警告が出ます。

※現在のファームウェアバージョンでは、ideaMakerで設定したフィラメントと、ロードしたフィラメントの種類が異なる場合でも警告は出ませんので、注意してください

フィラメントをアンロードする際に、RFIDをタッチすることで、残量をRFIDに記録することができます。

次回このスプールをロードする際に、RFIDタグを読み取り部に再びタッチすることで、記録された残量がプリンターに読み込まれます。

注意点

ロード時 

RFIDを読み取り部にタッチすると、ロードに適正な温度が読み込まれ、加熱を開始します。
例えば、前回ABSを使用し今回PLAをロードするような際には、前回使用したABSがノズル内部に残っているため、PLAのロード温度ではABSが溶けずにPLAが正常にロードできない場合があります。そのような時には、ロード温度を手動で変更する必要があります。

 

加熱中に温度設定の右側の編集ボタンを押し、任意の温度を設定することができます。ABSからPLAなど温度域が違うフィラメントを連続して使用する際には、ABSの温度設定にしロードすると良いでしょう。

アンロード時 

アンロードする際にRFIDをタッチせずスキップボタンを押してしまうと、残量がRFIDに記録されないため、次回ロードする際に使用前の残量がタッチパネルに読み込まれてしまい、印刷開始時のチェックで実際の残量が足りない場合でも、警告が出てこなくなってしまいます。
アンロード時にタッチを忘れないようにしましょう。
また、例えばABSをアンロードする際に、PLAのスプールのRFIDタグをタッチしてしまうと、PLAのスプールにABSの情報が上書きされてしまい、実際の種類や残量とRFIDに記録された中身が異なってしまうため、注意してください。

まとめ

Pro3HSシリーズは、ハードウェア・ソフトウェア様々なアップデートにより、造形速度はもとより造形品質、繰り返し精度に非常に優れた3Dプリンターです。

今回ご紹介したRFIDフィラメントセンサーとRFIDがついたスプールを使用することにより、材料切れや造形失敗のリスクを低減することが可能になりました。

ぜひ、こういった新機能をご使用いただき、日々の3Dプリンター活用につなげて頂ければ幸いです。

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