技術レポート

3Dプリンターで薄い形状が出力されない!?そんな時の対処法紹介

FFF方式の3Dプリンターを使っていて、細かい形状や薄い形状の再現に苦労した経験はありませんか?

特に、ノズルの押出幅(ノズルの穴径)よりも小さい形状では、通常のスライス設定では樹脂の吐出が不安定になり、設計通りの形状を得られない原因となります。

本記事では、このような問題を改善するための機能である「データの薄い壁構造部分をチェックする」について、その仕組みと設定方法、ならびに造形結果への影響について解説します。

今回は、標準装備ノズルの押出幅0.4㎜(ノズルの穴径)よりも薄い壁厚含むモデル(0.2mmから1.2mmまで0.2mmずつ厚さの異なる壁)を用いて、造形時における形状再現性について評価を行います。

内容と結果は以下の通りです。

①デフォルト設定での造形

ideaMakerスライスプレビュー画面

0.2mmと0.4mm壁が出力されていない実際の造形物

このようにデフォルトの設定のままではスライス時に薄い壁形状が消えてしまいます。
ideaMakerの設定をたった一つ変える事で、この結果は大きく変化します。

②ideaMakerの「データの薄い壁構造部分をチェックする」設定

スライスソフトウェアideaMakerの「詳細設定 > その他タブ >データの薄い壁構造部分をチェックする」を入れて造形します。

ideaMakerの設定

ideaMakerスライス画面

本機能を有効にすると、スライサーはモデルの各部分の幅を確認し、設定された「薄壁」より小さい場合、単一の押出パスで出力を行います。
薄壁として判定されるサイズは、「最小押シングル押し出し幅%」および「最大シングル押し出し幅%」によって決定されます。
例えば、押出幅が 0.4 mm の場合、最小シングル押出幅を 25% に設定すると、最小薄壁幅は 0.1 mm となります。
また、最大シングル押し出を 200% に設定した場合、最大薄壁幅は 0.8 mm となります。
モデルの壁厚が 0.1 mm 未満の場合、最小押出幅より小さいため出力は行われません。
一方、壁厚が 0.1 mm 以上かつ 0.8 mm 未満の場合は、単一の押出パスによってその幅を充填するように出力されます。

0.2mmと0.4mm壁が出力された、設定変更後の造形物

「データの薄い壁構造部分をチェックする」を有効にすることで、ノズル径以下の薄い壁形状の出力が可能になりました。
なお、本機能は材料の吐出量を調整して形状を再現するものであり、寸法精度や機械的強度を保証するものではありません。
安定した造形品質を得るためには、0.4 mm ノズル使用時には壁厚を1.0〜1.2 mm程度確保し、適切なパラメータ設定を行うことが推奨されます。

このようにideaMakerにはたった一つの変更で劇的に印刷結果を変えることができる機能が多くあります。印刷の内容にお困りの際はお気軽に弊社までお問い合わせください。



お知らせ一覧はこちら