技術レポート

3Dプリンターのサポート材除去におすすめの工具と使い分け

3Dプリンターのサポート材除去におすすめの工具と使い分け

はじめに

FFF方式の3Dプリンターでは、造形する際にサポート材を使用することがあります。

造形が完了した後はサポート材を取り除く必要がありますが、手で無理に引っ張ったり折ったりすると、造形物の表面を傷つけたり、細かな部分を破損させたりする可能性があります。

そこで今回は、3Dプリンターで造形した後のサポート材を効率よく、きれいに除去するために役立つ工具を紹介します。

サポート材の大きさや位置、造形物の形状によって適した工具は異なるため、それぞれの特徴を理解して使い分けることがポイントです。

サポート材の除去におすすめの工具

1. ニッパー

サポート材を除去する際に、まず活躍するのがニッパーです。

大きなサポート材をそのまま引き剥がすのではなく、細かく切り分けてから除去することで、造形物への負担を抑えることができます。

特に、太いサポートや柱状のサポートを根元から切断する作業に適しています。


◆ 使用のポイント 

  • 大きなサポートを小さく分割する
  • 造形物本体を一緒に切らないよう注意する

  • 無理にねじらず、少しずつ切断する

2. ラジオペンチ

ラジオペンチは、サポート材をつかんで折ったり、引き抜いたりする際に便利な工具です。
ニッパーでは切りにくい場所や、奥まった場所にあるサポート材の除去にも使用できます。
ニッパーで大きな部分を切断した後、残ったサポートをラジオペンチで取り除くという使い方もおすすめです。


◆ 使用のポイント 

  • サポート材をしっかりつかんで除去する
  • 造形物本体を挟まないよう注意する

  • 細い部分は強く引っ張りすぎない

3. ピンセット

細かなサポート材や、工具が入りにくい場所に残ったサポート材を取り除く際には、ピンセットが便利です。

小さな穴や細い造形部分など、ニッパーやラジオペンチでは作業しにくい場所の仕上げに適しています。


◆ 使用のポイント 

  • 小さなサポート材の除去に使用する
  • 細かな部分を傷つけないよう、無理な力を加えない

4. デザインナイフ

サポート材を大まかに除去した後、造形物の表面に薄く残った部分やバリを処理する際に便利なのがデザインナイフです。

細かな部分にも刃先を入れやすいため、仕上げ作業に向いています。

ただし、刃物を使用するため、作業時には十分な注意が必要です。


◆ 使用のポイント

  •  薄く残ったサポート材やバリの除去に使用する
  • 強く押し込まず、少しずつ削る

  • 刃を動かす方向に注意する

5. 彫刻刀(平刀)

彫刻刀の平刀も、サポート材の仕上げに使用できます。

デザインナイフと比べて刃幅が広いため、比較的広い面に残ったサポート材を削り取る場合に便利です。

例えば、平らな面に薄くサポート材が残っている場合などは、平刀を使用することで効率よく処理できます。


◆ デザインナイフと平刀の使い分け

  • 細かな部分・狭い場所 → デザインナイフ
  • 比較的広い平面 → 平刀


◆ 使用のポイント 

  • 刃先を寝かせるようにして少しずつ削る
  • 一度に大きく削ろうとしない

  • 造形物本体まで削らないよう注意する

6. スクレーパー

スクレーパーは、造形物をプラットフォームから取り外す際に使用します。
Raise3Dなどで使用されるPEIプレートは、プレートを曲げることで造形物を取り外せる場合があります。
しかし、薄い形状の造形物や底面積の大きい造形物などは、PEIプレートを曲げても取り外しにくい場合があります。

そのような場合には、スクレーパーを造形物とPEIプレートの間に慎重に差し込み、取り外します。
ただし、無理にこじると造形物やPEIプレートを傷つける可能性があるため、注意が必要です。


◆ 使用のポイント 

  • PEIプレートを曲げても外れにくい造形物に使用する
  • スクレーパーを少しずつ差し込む

  • 無理な力を加えない

  • PEIプレート表面を傷つけないよう注意する

工具の使い分け

サポート材の除去では、一つの工具ですべての作業を行うのではなく、作業内容に応じて工具を使い分けることが重要です。

 
作業内容おすすめの工具

大きなサポートを切断する

ニッパー

サポートをつかんで折る・引き抜く

ラジオペンチ

細かなサポートを取り除く

ピンセット

薄いサポートやバリを処理する

デザインナイフ

広い面に残ったサポートを削る

彫刻刀(平刀)

PEIプレートから造形物を取り外す

スクレーパー

基本的には、

「ニッパーで大きなサポートを切り分ける → ラジオペンチで取り除く → ピンセットで細かな部分を処理する → デザインナイフや平刀で仕上げる」

という流れで作業すると効率的です。

実際にサポート材を除去してみる

ここでは実際に3Dプリンターで造形したサンプルを使用し、それぞれの工具を使ってサポート材を除去していきます。

STEP 1:ニッパーで大きなサポートを切断

まずはニッパーを使用して、大きなサポート材を小さく分割します。

STEP 2:ラジオペンチでサポートを除去

切断したサポート材をラジオペンチでつかみ、造形物から取り除きます。

STEP 3:ピンセットで細かな部分を処理

細い部分や奥まった部分に残ったサポート材をピンセットで取り除きます。

STEP 4:デザインナイフ・平刀で仕上げ

最後に、造形物の表面に薄く残ったサポート材やバリをデザインナイフや平刀で処理します。
工具を用途ごとに使い分けることで、造形物へのダメージを抑えながら効率的にサポート材を除去できます。

サポート材を除去するときの注意点

サポート材を除去する際は、造形物を傷つけないよう以下の点に注意しましょう。

  • サポート材を無理に引っ張らない

  • ニッパーで造形物本体を一緒に切らない

  • ペンチなどで造形物を直接挟まない

  • ナイフや平刀で削りすぎない

  • 刃物を使用する際は、刃を動かす方向に注意する

  • スクレーパーでPEIプレートを傷つけない

特に細い造形物や薄い部分は破損しやすいため、少しずつ慎重に除去することが重要です。

まとめ

3Dプリンターの造形後に行うサポート材の除去は、使用する工具によって作業のしやすさや仕上がりが変わります。

大きなサポートにはニッパー、サポートをつかんで除去する場合にはラジオペンチ、細かな部分にはピンセット、仕上げにはデザインナイフや平刀など、それぞれの工具を適切に使い分けることがポイントです。

サポート材の除去は造形工程の最後に行う重要な作業です。適切な工具を選び、造形物の形状に合わせて使い分けることで、造形物へのダメージを抑えながら、よりきれいに仕上げることができます。

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