どのサポートが適切なのか?それぞれのサポートの特徴を解説
FFF方式の3Dプリンターでオーバーハングやブリッジ構造を造形する際、サポート構造が必要となる場合があります。現在(ver5.3.2)のideamakerには「ノーマル」、「柱状」、「ツリー」の3つの選択肢があり、どれを選べば良いのか判らない、とりあえず従来通りのノーマルにしている、他のプリンターで使っていたからツリーにしてみよう、などいろいろな考えがあると思います。
本レポートでは、Raise3DのFFF装置におけるサポート構造の特徴とその使い分け方について解説します。
1. ノーマルサポートと柱状サポートの違い
まず、3つのサポートのうち、差の少ない「ノーマル」と「柱状」について解説します。
どちらもオーバーハングしている部分やブリッジ構造を設定された条件に基づいて検出し、サポートを追加するという点に違いはありませんが、ノーマルサポートは該当箇所の輪郭に沿って修正したサポートを追加されるのに対し、柱状サポートは柱構造を維持したまま輪郭に沿って配置されます。(図1,2)
図1:ノーマルサポート
図1:柱状サポート
図2:ノーマルサポート断面
図2:柱状サポートの断面そのため、柱状サポートはモデルの輪郭からはみ出したり、逆に足りなかったりしてブリッジ構造が発生してしまうおそれがあります。
弊社では、この二つの使用で迷った場合にはノーマルサポートを推奨しています。
2. ノーマルサポートとツリーサポートの違い
ノーマルサポートと柱状サポートには比較的近しい形状をしていましたが、ツリーサポートは大きく形状が異なります。(図3)
図3:ツリーサポート構造全体図
図3:ツリーサポート構造 モデルとの接続面
図3:ツリーサポート構造サポート中間
Raise3D社によると、ツリーサポートは以下のような特徴を持っています。
「ツリーサポートは枝分かれした構造を模倣し、階層的なネットワークを通じてサポートポイントを分散させることで材料効率を最適化します。この方法により、材料の無駄と後処理時間が大幅に削減されます」
具体的には以下のような利点を有しています。
材料の削減: 通常のサポートと比較して、使用するフィラメントの量は減少します。場合によっては造形時間も減る場合がありますが、構造によっては増える場合もあります。
サポート痕の軽減: 造形物の構造間にサポートが必要な場合、通常サポートでは底面と上面の二面がサポート痕で荒れてしまいます。しかし、ツリーサポートを利用すると、ある程度の深さまでなら斜め方向からサポートが入り込むため、上面だけのサポート付着で済む場合があります(図4)。
取り外しの容易さ: サポート材の除去が簡単になり、後処理にかかる手間を軽減できます。
図4:ツリーサポートがモデル内の上面だけについている
一方でネガティブな点として、サポート面が荒れやすいという特徴があります。オーバーハングかつ傾斜がついているという荒れやすい構造を造形した際、ノーマルサポートよりもツリーサポートのほうが荒れが顕著でした(図5)。これはツリー構造のつき方が曲面において不均一になることや、場所によって点接触になることが影響しています。もしもツリーサポートを使用したいが荒れが懸念だという場合には、高密度サポート(サポート面、もうガサガサとは言わせない!高密度サポートで実現する驚きの仕上がり)を追加していただくと綺麗になる可能性が上がります。
図5:ノーマルサポートとツリーサポート比較
3. 具体的な使い分け
ノーマルサポートと柱状サポートについては大きな差がないため、ノーマルサポートとツリーサポートの具体的な使い分けについて記載します。
ノーマルサポートは造形物の輪郭に沿ってがっちりとしてサポートがつき、特に平面が荒れづらいため、寸法で管理された治具や機械のパーツなどに向きます。
ツリーサポートは造形物間にサポートがつかないため、サポート付着面を少なくしたいときや、点接触でも形が崩れないゆるやかな有機的な形状に向きます。また使用材料量を減らしたい場合にも一考です。
4. まとめ
造りたい造形物の形状や箇所、求める造形精度、使用材料や後処理時間を削減したい、作業や多くても良いので安定したものを造りたい、など目的によって使うべきサポートは変わります。
この記事を参考にしていただき、より目的に合致したサポート構造を選定しましょう。